1998年に日本で1年間に自殺した人が3万人を超えたのが大きなきっかけとなって、心の問題に対する関心がもたれるようになった。
それは日本人に平均寿命を短くするという衝撃的事実を突きつけたことでもあります。
それ以来、厚生労働省をはじめ、各種マスコミ、企業、健保、関係団体、自治体学者、医師などがメンタルヘルス問題「心の問題」に取り組んできましたが、残念なことに統計発表のレベルで年間3万人以上の自殺が続いています。
一般の会社で同じ問題が改善されることなく続いたら、幹部職員は更迭されるだけではなく、外部に責任を押し付けたり、責任を転嫁しません。
仮に倒産でもしたら、すべての責任は経営者に値することは当然のことです。
ところが、問題の自殺についての専門家の意見は次のような原因を他社に押し付けているように見えてなりません。
実際に、これらの原因を取り除いたら、一般企業なら海外との競争に敗れたり、倒産に至り、全員が職を失ってしまうでしょう。
自殺についての専門家があげる原因とは、
・仕事の量が増えたのが原因
・リストラが原因
・職場の人間関係が原因
・職場のパワーハラスメントが原因
・職場のストレスが問題
・日本人には宗教心がないから
・この頃の社員は弱くなった
このような原因論を展開していますがいくら原因を指摘しても問題は一つも解決していない。
自殺者は3万人の大台を割れない。いわば、何も改善されていないことを示している。しかも、同じ状態が続いています。
関係している人はさぼっているわけでもありません。時間も費用も投入量は急増し、何倍にもなっているのに精神科医やカウンセラーなどの専門家も増え、相談機関も充実してきています。
会社ではメンタルヘルス関連の社員教育の回数も時間も増えています。
問題の解決のためと称して、効果の期待できない、値段の高い社員教育プログラムなどを売りまくっている会社も沢山でてきています。
これほどのことをしてもなぜ、問題現象、解消の方向に向かわないのでしょう。
同じ現象が続いてるのであれば方法論に間違いがあると考えざるを得ないのではないでしょうか。
そろそろ気づかなければいいろではないでしょうか。気づかないのは真剣さが不足しているということです。
職場、仕事に対する判断が甘い 。
私たちは、精神科医やカウンセラーを普通には理解不可能な問題を解明する「心の問題をあらゆる点」についての、知識、技能を持っている専門家と長年信じてきています。
すべては専門家に任せることがよいと思われてきました。遠巻きで横目でにらむ姿勢をとってきたのが今の現実です。
素人は近づかない方がよいし、下手なことをすると怪我のもとになるから、専門家の言うと通りにしていればよいと思い込んでしまっているが、実は「心の問題」の専門家ではなく「心の病」の専門家です。
普通の人に必要なことは心と身体が一体となった、一人ひとりの「人間の健康」です。
心と身体のバランスで、バランスの欠けた人間の健康などはあり得ません。仮にあったとしても望ましいことではありません。
現状では身体の健康管理の方法論が先行しているのなら、現状の心の管理の方法論と比較して、その差を埋めるための「心の健康管理の方法」の開拓や、ギャップを埋める努力が必要なはずです。
その努力を怠って、現状に甘んじていたら、いつまでたってもすべての人に喜ばれる仕組みはできないし、社会のためにも、企業のためにもなりません。
人によっては、心の問題に関しては自分には全く関係のない「もの、こと」と思い込んでいる人もいます。
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